（株）吉備人

一般情報

かつて岡山は地方出版の先進県といわれていました。戦後、日本文教出版社が「岡山文庫」の刊行を始め、70年代からは山陽新聞出版局が地域出版物を精力的に刊行し、80年代には、ベネッセの前身・福武書店が内田百けん全集を手がけ、数多くのヒット作品を生み出してきました。

しかし、1990年代の後半、日本の出版業界が「冬の時代」に突入すると、地域出版の活動も低迷を余儀なくされます。社会や地域が、経済活動と効率にばかり目が奪われ、その歴史や文化に目を向けなくなり地域出版の衰退につながってきたのです。

地域の歴史や自然、文化などにもう一度目を向けるために努力し、地域の本の存在を一人でも多くの人に知らせ、手にとってもらうことが、豊かな地域づくりの一端を担うのではないだろうかと、地域で出版活動に携わっている我々は考えました。

当面は、県内で活動するほかの出版社にもネットワークへの参加を呼び掛け、共同目録の作成や県産本フェアの開催を目指します。出版社だけでなく、書店や取次店、著者や編集者などへも声を掛け、地域の本をテーマにした講演会やイベントなども企画できたらと考えています。

おかやま県産本ネットワークが、ささやかでもそうした地域づくりに役立つ存在になればと思っています。

おかやま県産本ネットワーク
代表・山川隆之（吉備人出版代表）